“予測不可能”なトランプ大統領との首脳会談 石破首相の秘策は?【#みんなのギモン】|日テレNEWS NNN

2025年2月7日 20:42

8日未明に迫った日米首脳会談。大きなテーマは「安全保障」「経済での連携」ですが、トランプ大統領との初の対面会談に臨む石破首相に、何か秘策はあるのでしょうか。

そこで今回の#みんなのギモンでは、「トランプ大統領とどう向き合う?」をテーマに解説します。

小野高弘・日本テレビ解説委員「初めての“対面”会談。大きなテーマは『安全保障』『経済での連携』ですが、相手が相手です。『アメリカ第一主義』『予測不可能』『ディール=取引』が重くのしかかってくる。だから難しいのです」「安全保障では(石破首相は)日米同盟の重要性を確認したいです。『防衛費を増やしなさい』と言われないよう、日本自らの防衛力強化の取り組みを説明するとみられています」

「経済分野では、アメリカはいま貿易赤字を抱えています。日本にも圧力をかけられないよう、日本企業がアメリカに大きな投資をして、アメリカ国内の雇用を生み出していること、さらにアメリカからの液化天然ガスの輸入を増やす考えがあることなどを説明するとみられています。日本は神経を張り詰めています」

小野解説委員「現地にいるワシントン支局長の山崎大輔記者と、政治部官邸キャップの平本典昭記者に話を聞きます。トランプ大統領が会談で求めてくるのは何でしょうか?」山崎大輔・ワシントン支局長「トランプ政権の関係者は、今回の首脳会談でトランプ氏は今後の中国に対する戦略や、対米投資について協議したいと考えていると話しています。中国に対しては、10%の追加関税をかけるなど強硬姿勢を示していて、日本と今後の対中戦略をすりあわせることに関心があるとされます」

「また、現地時間のきのう・5日に貿易統計が発表されたのですが、アメリカの貿易赤字がさらに膨らんでいました。トランプ氏が問題視する貿易赤字については、日本政府関係者も『会談では必ず持ち出してくる』と警戒感を示しています」

鈴江奈々キャスター「関税は世界各国が対象ですが、そんな中、トランプ大統領は石破首相をどれぐらい重視しているのでしょうか?」山崎大輔・ワシントン支局長「トランプ氏が大統領就任後、対面で会う首脳としてはイスラエルのネタニヤフ首相に次ぐ2番目で、それだけ日本を重視しているといえます。対中国を考える上でも、トランプ氏は日本の重要性は十分認識しています。その上で石破首相はトランプ氏との初めての会談に臨みますが、この場でトランプ氏が好む強いリーダーかどうか、また、ディール(取引)ができる相手かどうかが試されることになります」

「アメリカメディアも『トランプ氏相手では、シンプルな自己紹介の会談でさえ、危険なギャンブルだ』などと伝えています。実は、選挙中からこれまで、トランプ氏が日本について言及することはほとんどありませんでした。それだけトランプ氏にとっての喫緊の懸案がないともいえます。今回、首脳会談の後にはトランプ氏と石破首相の共同記者会見が予定されています。トランプ氏が初めて日本について本格的に語る場となり、どのような発信をするのか注目されます」

小野解説委員「そんなトランプ大統領に対して、石破首相に何か秘策はあるのでしょうか?」政治部官邸キャップ・平本典昭記者「石破首相は、かなり綿密な戦略を練っているようなんです。2つのポイントでお伝えします」

「まず1つ目のポイントは『否定から入らず、まず肯定』。ある外務省幹部は『トランプ大統領が一番嫌がるのは自分が否定されること』と話しています。『トランプ砲』とも呼ばれる政策の中には、日本としては到底納得できないものもあります。ただ、ダメなモノをダメと言うとさらにトランプ氏を刺激してしまいます」

政治部官邸キャップ・平本典昭記者「勉強会でこんな場面があったそうです。ある政府関係者が石破首相に『今、カナダ、メキシコへの関税が話題になっています』と。すると、石破首相が『あれはWTO違反だな』と。つまり国際的な貿易ルールに反すると。これは素直な感想なんですが、トランプ氏の政策の否定なわけです。石破首相もその場で『あ、こう言っちゃいかんのだよな』と気づいたわけですが、ではどう言えばいいのかというと『カナダ、メキシコの関税は日本経済にも影響があるので、よい方向に解決することを期待してる』と言った方がいいそうです。『否定はせず、肯定』が1つめの石破戦略です」鈴江キャスター「表現の一つ一つが重要な意味を持つのですね。2つ目の戦略にあがっている『経済は“警戒”で後回し』とはどういうことなのでしょうか?」政治部官邸キャップ・平本典昭記者

「これは会談の進め方の戦略です。今回の2大テーマは『安全保障』と『経済』です。日本が一番警戒しているのは、経済分野で『トランプ関税』などをディール(取引)としてふっかけられることです。ですので、日本政府としては、まずは経済より先に安全保障の問題を話して、場をあたためてから本題の経済に入っていく、という戦略を立てているようです」

政治部官邸キャップ・平本典昭記者「あと、もう1つ気になるのは恒例となっている首脳会談の『お土産』を何にするか、についてです。今回、石破首相がトランプ氏に用意したお土産は何か。今、最終確認中なのですが、複数の政府関係者によると、お土産のキーワードは2つあります。1つはトランプ大統領が好きな『金色』のもの。安倍元首相は昔、金色のゴルフのドライバーをプレゼントしていました。そして2つ目のキーワードはトランプ氏本人だけでなく『お孫さん』も喜ぶプレゼントのようなんです。一体、何が渡されるのか取材していきたいと思います」「今回の会談は、シナリオなき『出たとこ勝負』の会談とも言われています。日本政府としては、ハイリスク・ハイリターンとの声もあります。石破首相は結果として、日本の国益を守る交渉力を発揮できるか、という会談となります」

(2025年2月7日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

【みんなのギモン】

身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト

最終更新日:2025年2月7日 20:42

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